2005-06-15 火車 小説・本 現代の人間が一番縛られているものは「お金」である。そのために人をだますこともあれば殺すこともある。殺人というルール破りはするのに、「お金」というルールだけは守るのである。社会からはみ出たことをする人間が積極的に守ろうとするというのも皮肉な話である。そんな「怪物」を題材にするだけで興味深いのに、料理人は宮部みゆきときたら傑作にならないはずがない。ミステリー好きなら必読の一冊である。 著者: 宮部 みゆき タイトル: 火車