くうねるよむみる

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映画

「コマンドー」/決戦前の武装シーンは映画館でどよめきが起こったなあ

アーノルド・シュワルツネッガーの出世作! 今もテレビで放送されると実況がはかどります。 宇多丸言うところのナーメテーターものの傑作だと思うのですが、厳密にはそのジャンルではないのかな? 懐かしくなって熟読してしまいましたが、一番インパクトあっ…

朝井リョウの「何者」/就職活動が上手いのは、今も昔も光太郎のようなタイプ

4月になって、電車や飲食店などでたくさん見かけるようになりましたが、パリッとしたスーツを見るたびに、この作品を思い出します。 就職活動は多くの人にとって人生の分かれ道であり、日本は一度別れたら、簡単にはもう一方の道へ進路変更することができな…

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

やっと見れました。 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 。正史の第8作。前作『フォースの覚醒』が、ちょっと古参のファン向けのサービス多めだったのに対し、今作は古参のファンを試すかのような展開だったなあ、と。主要メンバーの行動がアレなこととか…

誰にでも秘密がある

ただのプレイボーイの話かと思いきや最後にロマンチックなどんでん返しが待っているという、ある意味韓国映画の王道をいく作品。眼鏡のチェ・ジウ目当てで見る男も多かったに違いない。逆を言えば、男にとってはそれだけで見る価値がある。女は、イ・ビョン…

キル・ビル

クエンティン・タランティーノがやりたいことを全部鍋にぶちこんで、ぐつぐつ煮込んだらできあがったという感じの作品である。カンフーあり、チャンバラあり、アニメありとモロにタランティーノの好きなラインだし。オタクといわれる人の頭の中はきっとこん…

溺れる魚

仲間由紀恵と窪塚洋介が主演し、堤幸彦が監督したという、今となってはとても豪華な作品。だが、堤監督が頑張りすぎてしまい、少しごちゃごちゃしてしまったのが惜しい。だが、そのわけのわからなさがマニア受けしたりするのかもしれないし、原作者である戸…

Lies 嘘

今は韓国映画といえば純愛というイメージがあるが、日本など足元にも及ばないエロへの寛容さというのが、韓国映画のもうひとつの顔である。日本ではピンク映画扱いされそうになる内容も韓国では一般映画なのである。(当然、何かしらの規制はあるが)某宗教…

ハリウッド★ホンコン

物事には必ず二面性がある。ある部分に光があたったとき、必ず陰に隠れた部分があるのだ。その陰の部分を知らずに世界をとらえようとするとだまされたり痛い目にあったりする。この作品は都市化が急速に進んだ時代の香港の、最も派手な部分と最も地味な部分…

タンポポ

エッセイを読むとわかるが、伊丹十三は食に人一倍の感心を持っている。彼以外にも、才能のある人が食へのこだわりを見せたエピソードをいくつか知っている。いわゆる天才という人種は食べることを楽しみにしている人種と重なっているのだろうか。一般的に、…

コンスタンティン

日本に住んでいる限り宗教に深く関わることはないだろうと思っていた。クリスマスは言うまでもなく、生まれたらお宮参りといって日本神道的なことをやるし、死んだときにお経をあげるのは仏教のお坊さんである。宗教をイベントの一種としかとらえていない社…

ラスト・プレゼント

人を笑わせることと、人を泣かせることは表裏一体のことだと、あるお笑い芸人が言っていた。人間の生理的な感情を意図的にコントロールするという意味で同じことであり、そのやり方には多くの共通点があるということだろう。そう考えると、人が「笑いたい」…

クリムゾン・リバー2

ミステリー作家島田荘司は、「幻想的な謎が起こることと、それが理論的に解明されること」を頭におきながら小説を書いていたらしい。理論的な解明はミステリー小説では必須とも言える要素だが、幻想的な謎というのは本格ミステリー特有のものだろう。それは…

Seventh Anniversary

ここ10年続く最大の流行は「恋愛ブーム」だろう。それは人が生きるのに欠かせない要素であってブームとは呼ばないと言う人もいるだろうが、あえてそれに反論してみたい。90年代以降「個性」という言葉が異常に重要視されて人と違うことが一種のステータスに…

アンダーワールド

人が空想の世界を作るときリアリティーを重視するのは当たり前だが、時々、よく知られた物語の世界観を細かく設定する(あるいは新しい設定をくっつける)ことによって全く違う話のように仕上げられた作品を目にすることがある。それが良いことなのか悪いこ…

トゥルー・ロマンス

守るものができたとき男は強くなる。逆に、失うものが何もない状態で開き直った結果普段以上の力を発揮するという場合がある。どちらがよりパワフルでシャカリキになれるかといったら、男に限定していえば、ほぼ間違いなく前者の方が多いはずだ。なぜなら、…

英雄~HERO~

英雄を辞書で引くと、「才能、武勇のとくに優れている大人物」と書いてあった。この作品でその大人物とは誰にあたるのだろう。主役である無名か、秦王の命を狙う最強の刺客たちか、秦王か。全員が英雄といっていい力を持っているだろうが後生歴史に名を残す…

血と骨

夢や平和などの理想論を抜きにして、今の人が1番欲しがるのは金だろう。「金で買えないものはない」「女は金についてくる」と大々的にうたっても社会的信用を失わないどころか、むしろ尊敬される社長が存在するほど金持ち至上主義が浸透した日本ではぶっちぎ…

サンデイドライブ

あることをやっているうちに、いつのまにか目的がわからなくなったり最終ゴール地点が変わっていたりすることがある。夢をかなえる資金稼ぎのためにやっていたバイトがおもしろくなって、そのまま正社員になってしまうような奇妙なコース変更が人生にはまま…

小さな中国のお針子

田舎に住んでいる子供が純粋に育つことが多いのは、都会とくらべて圧倒的に情報が少ないからだろう。その理由の第一は、いわゆる青少年に悪影響を及ぼすようなことを知らずにいられるるからである。広い知識を得られないという弊害はあるが、身の回りの知識…

パルコフィクション

西武系列のデパート「パルコ」を題材にしたオムニバスコメディ作品。5つのエピソードから構成されるが、全部合わせても65分という、テレビドラマのような映画である。「ウォーター・ボーイズ」の矢口史靖と鈴木卓爾が監督をしただけあって、どの短編もそれ…

リアリティ・バイツ

リアリティ・バイツ=「現実は厳しい」というタイトルの言葉を、人が最も痛烈に実感するのは社会人1年目のときだろう。それまでの価値観はいっぺんに覆されて、理不尽なことを甘んじて受け入れなくてはならなくなる。そんな自分にいらだちを感じたり、理想…

害虫

芝居的な映画と言ったらいいだろうか。意図的なのだろうが、とにかく演出がわかりづらくボーっと見ていると場面が変わったときに話の流れに全くついていけなくなる。場面と場面の間を見る側が想像して補わなければならないという意味で、非情に演劇的な手法…

ヴァイブレータ

「人はひとりでは生きていけない」最近、この言葉をよく耳にする。偶然人から聞くこともあるし、本を読んでいて目にすることもあるが、要するに自分の頭の中でそういう思いが強くなっているということだろう。そのためか、近頃初対面の人に対して比較的優し…

いかレスラー

商業ベースで映画化されたということ自体、奇跡ともいえる奇妙キテレツでシュールなストーリー。この遊び心というか懐の深さというか、そんな悪ノリ精神がまだ日本映画に残っているのがオドロキである。イカとタコがプロレスをしたり、イカレスラーとシャコ…

ナショナルトレジャー

「歴史」が人の、とりわけ男の好奇心をくすぐるのはなぜだろう? それは男が歴史上の偉人や建造物を、憧れに似た目線で見ているからではないだろうか。歴史に名を残す人物や建物は凡人にはマネできない大きな事業を成し遂げたり、その結果の産物だったりする…

LOVERS

多分、東アジア人は集団で1つのことをするのが世界で一番うまい人種だろう。日本人の流行好き社会や北朝鮮のマスゲームは言うまでもないが、それらはこの人種には「統一美」という観念があるからではないだろうか。この作品での複数の人間が全く同じ行動を…

ピストルオペラ

雰囲気映画としては最高峰の作品かもしれない。何しろストーリーは理解不可能な領域まで飛んでしまっていて、内容を追うのは鈴木清順監督の他は無理。多分わざとそんな編集をしているのだろうが、それはストーリーの矛盾ばかり重箱のスミをつつくようにあげ…

水の女

人生の大事なときには必ず雨が降る「水の女」UAと、火の中に安らぎを見出す「火の男」浅野忠信の奇妙で静かなラブストーリー。人は自分が持っていないものを持っている人に惹かれるということをストレートに表しているのはもちろん、自分と正反対の位置にい…

ブリジット・ジョーンズの日記

この作品を見て、何人の独身女性が共感し、何人の独身女性がさらに落ちこんだろうか。コメディとはいえ、最後のラブラブ状態に「現実はこんな都合よくねーよ」と吐きすてた女性も少なからずいるような気がする。それほど幸せに飢えている人は心に余裕がない…

悪い男

普通にしていても何だか悪そうな雰囲気を持っていたりこわそうなイメージを持っていたりする人はずるい。一般的に優しいと思われることを少しでもやれば、たちまち「コワモテだけど、根は優しい人」という好意的な目で見てもらえるようになるから。逆に日頃…