くうねるよむみる

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ネバーランド

「想像力こそが人間を救う」とたっぷり2時間力説する作品。確かに、ただの現実逃避じゃないポジティブな想像は人を幸せな気持ちにするし、パワーの源にもなる。マーク・フォースター監督はそれを伝えたくて、ジョニー・デップに何度も「想像しろ」と言わせているのだろう。作品中、ジェームス・バリは、子供の閉ざされた心の内面を想像してネバーランドを作るが、それだったら離婚寸前の奥さんの気持ちも想像してやれよ、と思ってしまった。いつの時代も、芸のためなら女房も泣かすなんだなあ。

「とにかく泣ける!」という宣伝通り、ラスト近くでは映画館内では鼻をすする音がとまらなかったが、自分はいまいち感情移入できなかった。ピーター役の子供が悪魔にとりつかれたような焦点が定まらない目をしていて、怖かったから。あの子役で「オーメン」を撮ったらすごいことになるな、と内容と全然関係ないことを考えていたせいでもある。