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いま、会いにゆきます

今さら説明不要、市川拓司のベストセラー。ちょうどセカチューが話題になっていたころに読んだが、自分はこっちの方が好きだ。要するに死んだ妻が残された夫と子供のもとへ帰ってくるという話なのだが、大事なのは「なぜ帰ってこれたのか」というところである。作品の最後に明かされる謎だが、その理由は結構好き嫌いがわかれるんじゃないだろうか。そこで冷めてしまうか、スムーズに受け入れられるか。そこが泣けるかどうかのポイントだ。

では、どういう人ならOKなのか? きっと若い人ほど理解しやすいはずだ。上限はギリギリ30代前半まで。それより上になるほど、このトリックと言ってもいい泣きポイントに拒否反応を示しやすくなる気がする。そのポイントが漫画的だから、小さいころから漫画を読んで育ち、トンデモ展開に耐性がついているほどいいというわけだ。

現実の中にちょっとだけ非現実が入り込むのを、「奇跡」ととらえるか「嘘」と眉をひそめるか。ある意味、ロマンチスト度を計るいいモノサシかもしれない。自分は泣きました。





著者: 市川 拓司
タイトル: いま、会いにゆきます