くうねるよむみる

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クリムゾン・リバー

アルプス山脈の美しい景色と猟奇死体の対比がおもしろい、サスペンスアクション。この手の推理ものにはお約束ともいえるちぐはぐコンビをジャン・レノヴァンサン・カッセルがそれぞれの持ち味を生かしながら演じている。

ただ、展開はあまりにストレート。こういった作品は、迷路を進むように、何度も行き止まりにつきあたるうちに、自然と正しい道を見つけていくもので、その過程を楽しむものなのに、2人の刑事コンビは奇跡的にも、ほぼ最短距離で出口まで突っ走るのだ。ジャン・レノヴァンサン・カッセルが行くところ、必ず物語の進展があるのだから、謎解きもへったくれもあったもんじゃない。

その分、話はテンポよく進むので、とくにだれた感じはしなかったが、ちょっと早すぎて理解できないシーンもしばしば。ある意味、何度も見たくなる作品である。きっと歯車のかみ合わせと同じで、「登場人物が事件の真相に迫る」という内容の作品は、緻密な整合性の中にも遊びの部分が必要なのだろう。

内容のスピーディーさに加え、カーアクションや肉弾アクションもあるので、だらだらとした話が嫌いな人にはオススメかもしれない。




タイトル: クリムゾン・リバー デラックス版