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完全なる飼育 赤い殺意

ひとりの男が見ず知らずの女を監禁して暮らすうちに恋に落ちるという、実際にあった事件を元にした作品。シリーズ化されており、今作は6作目にあたる。極度の緊張とストレスにさらされると、被害者は加害者に同情するようになるというストックホルム症候群がテーマだ。

そのテーマ通り、監禁された少女は、まるで運命を受け入れたかのように潔く男に抱かれてしまう。そのシーンがこのシリーズ最大の売りであることは確かだけど、これを「純愛」として宣伝するのはちょっと違うんじゃないのだろうか? もともとは男のワガママから始まった犯罪だし。流行にひっかけたかったのだろうけど、無理がありすぎる。

それにしても、佐野史郎の演技は強烈の一言。マジメそうだけど、本当はアナーキーな人間を演じさせて、これほどハマる役者は日本にはいない。本人には悪いが、一見して変質者とわかる顔になってるもんなあ。この顔のおかげで作品のリアリティーは相当上がっているよ。

尊敬したいくらいの気持ち悪いオーラを出していた佐野史郎だけれど、作品中、顔が温水洋一に見えるときがしばしばあった。あと、陣内孝則にも少々似ていた。温水洋一佐野史郎陣内孝則と、並べてみるとダーウィンの進化論のようである。




タイトル: 完全なる飼育 赤い殺意