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NETFLIXの「あいのり:Asian Journey vol.17『真実の告白』」/本編から透けて見えたNETFLIXの余裕

動画配信サービスに複数加入している欲張り者です。NETFLIXはフジテレビの過去の地上波番組が見られたり、過去の人気番組がNETFLIXオリジナルとしてよみがえったりしており、往年のフジテレビファンにはたまらないラインナップとなっています。

 

 

蜜月関係継続のために、頑張れフジテレビ

NETFLIXがフジテレビとコンテンツ提携したのが2015年。すでにパワーダウンしていたフジテレビと組んでどうするのかと思いきや、栄光の過去遺産を次々とこすりまくるという力技。テラスハウスもあいのりも面白いので今はひとまず順調かもしれませんが、この危うき蜜月関係は、いつまで続くんでしょう。あいのりをもうしばらく見ていたいから、もう少しの間続いてほしいです。この関係、終わるとしたら、今のところNETFLIXがフジテレビに三行半をつきつける結末しかないと思いますので、フジテレビには頑張ってほしいところ。

 

今回のvol.17は前半の幸せ映像にニヤニヤするべし

今回は2月15日配信分のvol.17。お祝いムード全開の前半と、崖からころげ落ちるような後半のラストの落差がありすぎて、忙しい回でした。まずは前半! ついに裕ちゃんとアスカの恋に決着がつきましたが、後からよく考えると、いろいろと考えさせられることが。アスカが今にも告白しそうなところへ、スタッフが先手を打って裕ちゃんを半ばけしかけて、先に告白させるという流れ。告白されたアスカの幸せそうなにやけっぷりがすごかった。告白されてから取材を受けたメンバーで、あんなに露骨にチューする気満々なの初めて見ましたよ(笑)。朝告白されて、答えを出すのが翌日の朝だったから、丸1日幸せ気分でいられたことでしょう。

 

で、最後の回答シーンの演出がこれまた過去に類を見ない斬新な手法(笑)。「あいのり:Asian Journey初のカップル誕生です!」ってテロップいれちゃうのは良かったですね。裕ちゃんが告白した時点で完全両思いが証明され、カップル成立がほぼ確実になったと視聴者にもはっきりわかったことで、この2人の恋の結末がどうなるかと煽る演出は、時間の無駄遣いになり、見ている側にストレスを与えるだけですからね。

 

ここで、ちょっと意地悪な考え方をしてみたくなりました

あいのりに台本がなかったとしたら、スタッフが裕ちゃんに先に告白させるよう仕向けたのはグッジョブでした。あそこでアスカが告白していたら、先週までの恋に迷っている裕ちゃんの姿がどうしても思い起こされてしまい、カップル成立するかどうかの予想が難しくなり、結果として今までのあいのりの告白シーンと同じ流れにしかならなかったように感じます。

 

そこへ裕ちゃんから先に告白させて、嬉しさのあまりデレデレしたアスカをバッチリ放送するなど、あえて結果を丸わかりにする構成にしたことで、新しさと猛烈なハッピーオーラあふれる本編となりました。

 

あいのりに台本があったとしたら、結果としてNETFLIXの潤沢な資金からくる余裕を感じずにはいられません。これまで16週放送し続けて、4連続カップル不成立で、Vol.17まで成立は0でした。ここまで視聴者を焦らしに焦らせて、初のカップル成立を盛大に盛り上げようというシナリオは、今までのテレビ番組なら、とてもこわくてできなかったでしょう。「途中で視聴者が飽きてしまうから、早くカップル成立させろ」とテコ入れや横やりが入ったに違いないし、構成案の時点でボツになる可能性もあったはず。

 

NETFLIXだからできる、あいのりのリスキーなシナリオ

そんな危険なシナリオを決行できたのは、スポンサーであり放送元であるNETFLIXに余裕があって、ハイリスクな方向に舵を取ることにOKを出せたからではないかと推測してしまうわけです。そう考えると、今回のあいのりは、これからも今までのシリーズにはない新しい演出や事件が起きるのかなと予想できるし、それを楽しみにできます。「真実の愛とか言っていて、結局ヤラセじゃん!」とツッコミたくなる気持ちもわからなくはないですが、放送される本編がおもしろければそれでいいじゃないですか。

 

と、朝っぱらから、久しぶりにあいのりのカップル成立シーンを見て、つい涙ぐんでしまったチョロイヤツの、あれやこれやの妄想でした。