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ドキュメント72時間語り「津軽海峡 年越しフェリー」

ドキュメント番組を見るのが好きです。地上波・BSのドキュメント番組をほぼ網羅していますが、特にここ数年は、NHKの「ドキュメント72時間」が気に入ってます。

 

今回は津軽海峡フェリー。それも年末! 年越しシリーズは過去に東京タワーがありましたが、今回は海の上で年越しをする人たちを追うという内容。調べてみると、1月から5月まで、津軽海峡フェリーは、4隻のフェリーが、3時間感覚で、ほぼ24時間運行しているようです。航路は、放送された青森~函館航路のほか、大間~函館航路もあり、船内では無料Wi-Fi(その名も、津軽海峡FREE Wi-Fi!)も使えるなど、快適なクルーズができることを、HPではうたっています。

 

予告編を見たときに面白そうだと思ったのですが、72時間のフェリー企画にはトラウマがありまして……。わずか3か月で終了した、ドキュメント72時間のファーストシーズンの最終回が、フェリー企画だったんですよねえ。当時から楽しみに見ていた自分は、あまりに唐突すぎる最終回に、ちょっと呆然としてしまった記憶があります。最後に、海をゆくフェリーをバックに視聴者へのお礼の言葉がテロップで表れるんですが、それも上滑りしてるように見えてしまって……。だからこそ、復活したときは嬉しかったわけですが。

 

さて、愚痴もほどほどに印象に残ったシーンを。

 

①3時間半の航路中にやること・やらなければならないこと

デッキに出て津軽海峡を眺める人もいれば、フェリーの中で年賀状を書く人(それも毎年恒例で!)、大学の卒論を書く人など、船内での過ごし方は様々ですが、年賀状を書くというのは、この時期のフェリーに乗り慣れている人ならではという感じがしたのと、なおかつ膝の上でボールペンを使って宛名を書いているあたり、切羽詰まってるな感がありました。そして、この人よりもすごいと思ったのは、窓もない船室で、資料を広げて卒論を書いている女子大生。窓際のビューシートでは、資料を広げられないからか、または単に一番料金が安いからか、とにかく窓のない閉ざされた空間で作業に没頭している姿は、画になりました。

 

②当たり前だけど、車で利用している人が多い

青函トンネルが開通し、北海道新幹線も開通した今、遠路からやってきた人で、津軽海峡フェリーを利用するのは少ないだろうと思います。ですが、青森近郊の人にとっては、函館に行くのに一番安いのは、今もフェリーなのでしょう。新幹線だと、新青森駅からでも7,260円かかるようですし。フェリーで一番安いスタンダードなら、最安期間で2,220円。北海道新幹線と特急を乗り継げば1時間半で青森から函館まで行けるようですが、時間に余裕があればフェリーのほうが断線お得ですね。深夜まで運航してるし。

また、フェリーを選択するもう1つの理由は、自動車。トラック運転手はもちろん、車で帰省する人、旅する人はフェリーを利用するしかないと考えると、今のフェリー利用者は車で利用している人がほとんどかなと思ったり。それにしても、恋人の息子とスキー場めぐりをしているという47歳の男性、楽しそうだな人生。

 

③スタッフのアテが外れた瞬間! フェリーの中で「津軽海峡・冬景色

おそらくですが、今回の企画は、「津軽海峡フェリーの中で津軽海峡・冬景色を聞く人たちが撮影できたら面白いんじゃない?」 というダジャレのようなアイデアがきっかけだったと思うんです。しかし、その画が、まさかのアクシデントで撮影できないという事態!

津軽海峡フェリーの中で紅白歌合戦石川さゆりさんが歌う津軽海峡・冬景色を視聴する乗客たち」という、ちょっとシュールな画は、視聴途中で電波障害によってテレビが映らなくなるというスパイスが加わり、ある意味さらにシュールな映像になってしまいました。スタッフは悔しかったんじゃないかな~と同情するのと同時に、何が合っても不思議じゃない海の上の怖さみたいなものも感じました。