くうねるよむみる

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アンダーワールド

人が空想の世界を作るときリアリティーを重視するのは当たり前だが、時々、よく知られた物語の世界観を細かく設定する(あるいは新しい設定をくっつける)ことによって全く違う話のように仕上げられた作品を目にすることがある。それが良いことなのか悪いことなのかはともかく、小説や映画にするネタがつきてきたのがそういう作品が作られる理由の1つなのではないだろうか。


推理小説の世界ではトリックはほぼ出尽くされていて、今は以前出てきたトリックをいかにうまくアレンジできるかどうかがカギなのだという。最近のテレビドラマや映画も半分くらいは原作つきだし、古い作品のリバイバルも多くなってきたような気がする。そう考えると、「甲殻機動隊」というアニメから多大な影響を受けているにせよ「マトリックス」のような作品が出現するのは奇跡的な確率なのだろう。


この作品の元ネタはおなじみ吸血鬼と狼男。そこに「長年に渡り争っている」などの設定とマトリックス風味のアクションを味つけして、一応新しい作品に見せているが、ビジュアルに関しては吸血鬼や狼男が持つイメージの王道をつっ走っている。ゴシック調の映像は、ぱっと見ただけで作品の世界に引きずり込まれるほどの吸引力があるし、何よりケイト・ベッキンセールが持つ雰囲気が吸血鬼っぽくて良い。私生活での彼女は、この作品を撮っているうちに監督とつきあうようになってしまい、旦那とわかれたらしいが、そんな見境のなさと大胆すぎる行動力が「ヴァンパイアの女戦士」という役作りに良い影響を与えたのかもしれない。2人がわかれた詳しい理由は知らないが、正直なところ旦那さんには同情したい。




タイトル: アンダーワールド スペシャル・エディション