くうねるよむみる

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サンデイドライブ

あることをやっているうちに、いつのまにか目的がわからなくなったり最終ゴール地点が変わっていたりすることがある。夢をかなえる資金稼ぎのためにやっていたバイトがおもしろくなって、そのまま正社員になってしまうような奇妙なコース変更が人生にはままある。後で我に返って「どうしてこんな風になったんだろう」と悔やむ人もいれば、「これでよかった」と全て納得して毎日を楽しむ人もいるだろう。


両者の違いは「前向きさ」や「楽天的」な部分が心の中にあるかどうかと言えるだろうが、1番の要因は「何も考えていないこと」なのではないだろうか。その言葉から受けるイメージはただの馬鹿よりも悪いが、意外とそういう考えを持っている人は土壇場やギリギリの場面で強い。それは時としてポジティブさや執念深さよりも強大なパワーを人に与えることがあるし、そうなったときの人の行動力はある意味超人的である。


要するに「命知らず」とか「捨てばち」とかの状態になってしまっているわけだが、そんなイってしまった人が周囲をまきこんでいく様子は、はたから見ていると非常識でおもしろい。この作品は意図して淡々と描かれているため、妙なリアリティーを感じたりもする。深夜に眠気と戦いながら見るのが似合うような作品である。



タイトル: サンデイドライブ