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小さな中国のお針子

田舎に住んでいる子供が純粋に育つことが多いのは、都会とくらべて圧倒的に情報が少ないからだろう。その理由の第一は、いわゆる青少年に悪影響を及ぼすようなことを知らずにいられるるからである。広い知識を得られないという弊害はあるが、身の回りの知識だけでも人は十分生きていけるし、その方が人の心は安定しやすいものだ。


昔の田舎は情報だけでなく教養もそれほど必要とされなかったために、子供のピュア度は現在の比ではなかったに違いない。そして、そんな子供たちを見て、「情報はともかく読み書きなどの教養を持っていないのは不幸せである」と都会の人が思うのは必然なのかもしれない。いろいろなことを知ることがその人の人生を豊かにするというのは文化度の高い社会では"常識"とされているからだ。


しかし、それは果たして本当なのかというのを、この作品は問いかけている。山村の風景の美しさや登場人物たちの幻想的な恋愛に気をとられていると、痛いしっぺ返しをくらうかもしれない。

タイトル: 小さな中国のお針子