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いかレスラー

商業ベースで映画化されたということ自体、奇跡ともいえる奇妙キテレツでシュールなストーリー。この遊び心というか懐の深さというか、そんな悪ノリ精神がまだ日本映画に残っているのがオドロキである。イカとタコがプロレスをしたり、イカレスラーとシャコボクサーが異種格闘技戦をしたりする映画だぞ、これ。

 

こういったコンセプト自体に笑いの要素を含んでいる作品は、マジメに作れば作るほどおもしろい。今作もストーリー自体は病に倒れた名選手が奇跡の復活を果たしライバルと熾烈な戦いを繰り広げるという熱血スポ根ものである。ルー大芝演じるプロレス団体の社長は、レスラーの戦いを通じてリストラやテロなど多くのストレスを抱える現代人の心を解放したいという理想に燃えている。

 

そんなアツい話なのに、登場人物(というか、登場物!?)がイカやタコやシャコになっただけで笑えてしまう。大きな意味での「デフォルメ」が潜在的に持つパワーはすごい。そして制作陣の、「この映画を見て楽しんでくれ!」という熱いほとばしりがイカくさいほど伝わってくる。

 

もう1回見たいとは思わないけど、一度見たら忘れられないし話のネタとして超一級品な作品である。

 

タイトル: いかレスラー