くうねるよむみる

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ピストルオペラ

雰囲気映画としては最高峰の作品かもしれない。何しろストーリーは理解不可能な領域まで飛んでしまっていて、内容を追うのは鈴木清順監督の他は無理。多分わざとそんな編集をしているのだろうが、それはストーリーの矛盾ばかり重箱のスミをつつくようにあげつらっていいところを見つけようとしない、一部の評論家や映画マニアを馬鹿にしているかのようである。

 

江戸川乱歩的幻想美と古きよき日活アクション的カメラワークをうまくミックスさせた映像は、何ともいえない味があって、見る者を強烈にひきつける。超人的ストーリーも細かいところを気にしなければ大まかな流れはわかる。要するに頭をからっぽにして見ると超楽しめる、スーパーエンターテイメントなのだろう。

 

もしかしてこの作品は、今まで自分が撮った映画につまらないケチをつけてきた人たちへの復しゅうなのかもしれない。この作品を「意味がわからない」とツッコむのは想像力がないとカミングアウトしているようなものだからである。

 

しかし、江角マキコの衣装を見て、「DESIRE」時代の中森明菜を思い出した人は何人いるだろう。「和服にブーツは意外とエロい」ということを知ったのが、案外、この作品の1番の収穫かもしれない。

 

 

 
タイトル: ピストルオペラ スペシャル・コレクターズ・エディション