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水の女

人生の大事なときには必ず雨が降る「水の女UAと、火の中に安らぎを見出す「火の男」浅野忠信の奇妙で静かなラブストーリー。人は自分が持っていないものを持っている人に惹かれるということをストレートに表しているのはもちろん、自分と正反対の位置にいる人が実は1番近い存在だったりすることを淡々と描いている。

 

「類が友を呼ぶ」「同属嫌悪」など、人は自分と似ている人を大好きになったり大嫌いになったりする。「自分と正反対の人を好きになる」というのは、大体自分が欲しいと思う要素を持っている人に惹かれる場合が多い。強引だが、これは「同属嫌悪」の延長線上にあるといえないだろうか。

 

自分と似ている人を嫌いになるのは、相手に「自分の中の嫌いな部分」を見つけるからだろう。自分の嫌いな部分があるからこそこうなりたいという願望も発生する。ということは相手の中に「自分がこうなりたいと思っている部分」を見つけるというのは根っこをたどれば自分の嫌いな部分を知るというということであり、その点で「同属嫌悪」と同じものではないだろうか。

 

似たもの同士がいいのか凸凹コンビがいいのかは、恋愛や仕事などシチュエーションで変わってくると思うが、この作品のように真逆な人と一緒になったほうが、より自分自身を見つめられて深いつきあいができるような気がする。

 

UAの濡れ場を見たい人は必見。

タイトル: 水の女