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邪馬台国はどこですか?

考古学という言葉に不思議な魅力を感じる人は多いのではないだろうか。インディジョーンズのような冒険はありえないとしても、太古の人類の秘密を知りたがったり、古代遺跡に行ってみたいと思ったり…。「ダヴィンチ・コード」がベストセラーになったのは、そんな知的好奇心をうまくついたからだろう。

とある静かなバー。そこに居合わせた人たちが、「邪馬台国はどこにあるのか?」「聖徳太子は誰なのか?」など、日本の謎について話し合うというストーリーである。そこで歴史研究家らしい宮田六郎が打ち出す大胆な説は、目からウロコを落とすのも半分、ありえねーと叫びたくなるのも半分だが、油断して読むと、つい納得してしまう説得力がある。

ただ、1番おもしろいのは、毎回宮田が説を打ち出した後に、聞き役の1人である早乙女静香が口にする罵倒の文句である。こちらも宮田の説に負けず劣らず独創的で笑える。

普通のミステリーより時間と労力がかかるのだろうが、作者の鯨統一郎には、こんな笑える歴史ミステリーをもっと書いてほしい。
著者: 鯨 統一郎
タイトル: 邪馬台国はどこですか?