くうねるよむみる

いいモノ、いいコンテンツ、いい人を知りたい

「宮本から君へ 1~4話」/これがデフォルメなしの80〜90年代のリアルな中小企業サラリーマンの生活ですよ

新井英樹の漫画「宮本から君へ」のドラマ版。原作漫画が好きなので、ドラマにはちょっと期待していました。いわゆる実写ドラマ化によって牙が抜けた状態になったとしても、馬鹿ドラマとして見てやろうと、ちょっと斜めに構えた態度というか、つまらなかったときの保険をかけた姿勢で見たわけです。

 

キャラクターが、なかなか原作の雰囲気を再現していていい

 

 池松壮亮演じる宮本は、暑苦しさとウザさが結構いい感じで再現されていて、いいです。池松壮亮だと、ちょっと迫力がないかなと思ったのですが、原作序盤のプライドだけが高くてウジウジしてる宮本には合ってるかも。ドラマ版はコクヨンとの見積もり対決で終わりそうですから、ちょうどいい人選。

 

同僚の田島が頑張ってる。柄本時生の関西弁はネイティブには辛いのかもですが、口をとがらせた感じがよく似てる。出色だったのは、元ほっしゃんこと星田英利演ずる小田課長。柔和な外面で内面は結構頭が回る感じがうまく出ています。それにしても、小田課長って、部下にやさしいよね。岡崎部長のよだれもテラテラしてて、なかなかw

 

甲田美沙子役の華村あすかは、独特の顔立ちが目を引きます。今売れてる女優やタレントに見える角度がいくつもあって、広瀬すずに見えたり橋本環奈っぽかったり、そんなことばかり気にして見ていました。あ、そういう意味で人を惑わす甲田美沙子の魔性っぽさが出てるのかも。

 

OP・EDの暑苦しさも熱帯雨林レベルで、セレクトした人はかなり原作が好きなはず

OPのエレファントカシマシは、作者が主人公の名前にしたと公言しているので、予想がつきました。期待通り! わかってる!

 

EDに使われているMOROHAの「革命」は衝撃的でした。何度か耳にしたことはありましたが、ドラマ「宮本から君へ」のEDとして使うのは考えなかったなあ。曲の温度とドラマの温度がうまくマッチした、ベストセレクトかと。

 

考えてみれば、自分磨き系の熱い内容が多いヒップホップと、宮本から君への相性はもともといいのかもしれません。でも、ブラックミュージックのようなリズムは宮本から君への作風とはちょっと違うとは自分も感じます。そこでMOROHAを持ってくるセンスの良さ!

 

ついに来週は松山ケンイチの神保さん登場! 蒼井優の靖子も期待したい

来週は待ちに待った神保さん登場。昔の営業って、愛想よく見せつつ、相手の懐にすべりこむ図々しさと、あえて演じる厚顔無恥を駆使するスタイルだよなあ、というのがわかるキャラ。仕事相手と仲良くなるって、わかっててもできない人が多いと思うので、難なくこなしているように見える神保はすごい営業なんでしょう。人間関係で売る営業スタイルは現代でも確かに残っているし、中小企業とか地方企業では当たり前のことという印象があります。神保の営業スタイルは今も通用するでしょうね。売る商品にもよるか。卸営業向きで、BtoCは向かないか? いや、実演販売士っていう手もあるか。

 

蒼井優乃靖子も期待したい。キツイ感じと冷めきった感じを使い分けて、宮本に接して欲しいところ。