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春日太一の「鬼才 五社英雄の生涯」

五社英雄の映画が好きです。
最初に五社と出会ったのは、テレビで放送された「吉原炎上」でした。有名なシーンですが、西川峰子が演じる花魁の鬼気迫る姿に、瞬きもできないほど圧倒されたのを覚えています。
 
こんなすごい作品を監督した、五社英雄とはどんな人なのか、とずっと思っていましたが、今までは思い出したときにウィキペディアで調べるぐらいでした。五社英雄についての本があまり世に出ていなかったせい、と勝手に解釈しています。国会図書館へ行くなり大宅壮一文庫へ行くなりして、もっとよく調べていたら、見つけられたかもしれないので、自分の怠慢のせい、と言えるかもしれませんが。
 
そこで出会ったのが、この本。全編を通して、五社の経歴が丁寧に書かれているので、これまで得ていた知識で腑に落ちなかった部分などが、きっちりと理解できました。腑に落ちないと思っていたのは、主に若き日のフジテレビ社員時代についてです。
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この本で心に残ったのは、やはり吉原炎上のくだり。終盤の主人公の理不尽な行動について、五社が名取裕子に説明するくだりは、五社の持ち味であるケレン味を、五社自身はこう考えていたのかな、というのがちょっと見えたような気がしました。
 
あとは夏目雅子! 夏目自ら五社に自分自身を売り込んだというのが驚き。
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きれいです。おじさん殺し。