くうねるよむみる

いいモノ、いいコンテンツ、いい人を知りたい

ドキュメント72時間語り「小笠原諸島 週に1度の宅配便」

ドキュメント番組を見るのが好きです。地上波・BSのドキュメント番組をほぼ網羅していますが、特にここ数年は、NHKの「ドキュメント72時間」が気に入ってます。

 

今週は小笠原諸島・父島の宅配便。週に1回やってくるフェリーで届く荷物を島中に宅配・集荷するまでの72時間。週一でしか物資が届かない環境であることや、団地が存在すること、日本屈指のリゾート地でありながら住所は東京都なので、アルバイト代は東京相場ということ、商店の品揃えは1週間でほとんど売り切れること、島には産婦人科がなく出産ができないことなど、知らない情報を知ることができました。いろいろな情報が出てくるということと、島の住人の暮らしぶりが紹介されているという意味では、1990年代のドキュメント情報番組っぽいなと感じました。

気になって船便を調べてみましたが、ピークシーズンの夏は3・4日に1便の割合で出ているようです。夏は宅配便は忙しそうですね。では、印象に残ったシーンを。

 

①商店でレジ打ちをする女性のリズム感

仕事中にスタッフのインタビューを受ける女性。他の住人と同様に、父島に来た経緯や今の暮らしなどを話している途中、まるで話しの続きのように、リズミカルにお客さんに対応する淀みなさ。サービス業独特の、複数の人をいっぺんに応対する反射神経の鋭さに、この商店の夏の繁忙ぶりが垣間見えた気がします。きっと夏の夜は戦場何でしょうね。

 

②離島に住む人の買い物テクニックに目からウロコ

水を通販で買ったという男性。島は運送料が加算されているので物価が高いのだそう。なので、配送料無料の通販で買い物をしているのだとか。確かに、冒頭、宅配の荷物の山にはアマゾンの箱が目立ちましたね。離島の人にとってもアマゾンプライムは役立つようです。他にも、通販でデジカメを買ったり、ギターが入っているっぽい箱も見えました。ネット通販が盛んになり、サービスが潤ったことは、島に移住しようと思う人が増える理由の1つになっているんでしょう。

 

③1人でレモン農園を開拓した熟年女性のバイタリティ

とにかく1人でやったっていうところに驚きました。将来は観光農園にしたいと夢を語るあたり、結構野心があるタイプだと思うので、若い頃からバイタリティがあるタイプだったのでしょう。好きだった教員をやめて旦那さんについてきたのに、おそらく旦那さんより島に馴染んでいるんだろうなと感じるのも、すごい。

 

その他はちょっとしたことですが、気になったことを。

●オープニングが久しぶりのタイムラプス映像だったのが印象的。最初に大まかな映像を見せないと、わかりづらいと思ったんですかね。タイムラインで流すなら、船から荷物を下ろす作業も早回しで見せてほしかった。

 

●ラストカットがフェリーの上。最後にやってきたフェリーで、スタッフも帰ったということでしょうかね。それとも、そのフェリーは見送って次の便で帰った? 撮影スタート時、フェリーを迎えていたことを考えると、撮影の1週間前の便で父島に来ているはず。となると、今回少なくとも2週間、最大3週間スタッフは父島にいたってことですかね。いつも2班体制で撮影しているそうですが、今回は一度行ったら他の仕事は一切できない場所でしょうし、2週間も2班で行ったのか? 例え1班だとしても、撮影開始より前の便で現地に到着していたとしたら、撮影開始までほぼ1週間時間が空いたはず。もしかして、今回の撮影、スタッフ的には美味しいスケジュールだったのでは?