くうねるよむみる

いいモノ、いいコンテンツ、いい人を知りたい

ドキュメント72時間語り「ゲストハウス 1泊3千円のオアシス」

ドキュメント番組を見るのが好きです。地上波・BSのドキュメント番組をほぼ網羅していますが、特にここ数年は、NHKの「ドキュメント72時間」がお気に入り。

 

今週は神奈川・川崎のゲストハウス。タイトルの通り、1泊3,000円と格安ですが、実際の施設はきれいで、ベッドも広々としていて、カーテンで区切るだけですが個人スペースも確保できます。共有スペースはオシャレなカフェ風。こんなゲストハウスもあるんだ! という新鮮な気持ちが強く、人の話より施設内の風景をガン見してしまいました。では、印象に残ったシーンを。

 

①海外の旅行者は少なく、仕事で利用する日本人が多い

取材した時期が特殊だったのか、または海外旅行者の映像は放送されなかったのかは定かではないですが、日本の社会人、それもスーつを着たサラリーマン風の人たちが、出張などで普通に利用しているのに驚きました。今回のゲストハウスは割りと広めできれいだし、それで3,000円なら仕事で使いたくなる理由もわかります。ちょっと調べたら今回のゲストハウスはJR川崎駅から徒歩10分以内でアクセスもいいようですし。

 

②「なぜ、ゲストハウスに泊まるのか?」をなぜ聞かない!?

ドキュメント72時間では、変わった場所に密着するとき、そこに訪れた人に、「なぜ、ここに来たノカ?」という質問が恒例ですが、今回はそのシーンが少ないように感じました。特に、出張で利用する会社員の人たちに「なぜ、一般的なホテルではなく、ゲストハウスなのか?」と聞いてほしかった。ただ、熊本から来た男性や茨城から来た会社員の話は、何となく、このゲストハウスに泊まる理由っぽかったので、放送されなかっただけで上記の質問をおそらく多くの人に投げてはいるのでしょう。質問の回答で、代表的だったのが、上記2名だったということかと。

熊本の男性は、「あ寝たなとわかったりして、人と接する環境がいい」と言い、茨城の会社員は「ここに泊まる人たちはいい顔をしてる。活気があるというか」と言う。2人とも、ゆるく人と関わる環境がいいということでしょうか。でも、単純に安いから、と答えた人が一番多かったのではないかと推測します。スタッフ、頭を抱えたか!?

 

③質問に質問で返されるとき、名シーンが生まれる

海外から来た、元会社員のユーチューバーに、「仕事を辞めて後悔はないですか?」と聞いたスタッフに「なんで、後悔すればいいの?」と片言ながら、日本語で答えたユーチューバー。また、「キツくて給料も安くて」と話すけれど福祉介護士の資格を取りにやってきた介護士の女性には、スタッフは「そこまで好きな理由はどこにあるんですか?」と質問。そこで返ってきたのが「よく言われるけど、そんなに不思議ですか?」

スタッフが投げた質問はどちらも、相手の心の中を話してほしいと思って、または話してくれることを期待したものでしょう。そして期待通り相手の心の中をのぞくことはできましたが、スタッフにしては少々予想外な返しだったのかな、と。終盤、1か月ゲストハウスに暮らしていた男性がゲストハウスを出るにあたり「不安はないですか?」と聞いて、「ないです」と一蹴されたシーンとか、結果的にスタッフがやりこめられた風になった自虐っぽい場面、今年のドキュメント72時間には多いような気が。北九州で「NHKがなんぼのもんじゃい!」と言われたのがクセになったんですかね。

 

年末恒例、もう1度見たい72時間投票受付中です!
今年のベスト10を予想するのも楽しみ。例年、予想した10個の回のうち、4~5割しかランクインしないし、順位もほとんど当たらないので、今年はもうちょっと精度を上げたい。
NHKのHPから投票できます。