世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
2つのストーリーが同時進行で進む話がある。大体の場合、それはお互いに相手の伏線として機能していて、最後には融合しておお盛り上がりのクライマックスをむかえるのがパターンである。今作も2つのストーリーが交互に進むが、基本的には別の話であり、接点は指が触れた程度のものでしかない。
宮崎駿のアニメと堤幸彦のドラマをチャンネルを変えながら見るような、奇妙なリズムに乗れれば、村上春樹最高傑作と呼ばれる理由がわかるはずである。
- 著者: 村上 春樹
- タイトル: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉