くうねるよむみる

いいモノ、いいコンテンツ、いい人を知りたい

クリムゾン・リバー2

ミステリー作家島田荘司は、「幻想的な謎が起こることと、それが理論的に解明されること」を頭におきながら小説を書いていたらしい。理論的な解明はミステリー小説では必須とも言える要素だが、幻想的な謎というのは本格ミステリー特有のものだろう。


それは歴史に名を残す偉人や一族、または絵画や建築などとミックスすると、おもしろさは格段にアップする。元ネタが学校で勉強するほど有名なことだけに、普通の作品よりウソっぽく感じるときもあるが、嫌々ながら覚えた知識が変なところで役立つという奇妙な快感を覚えることもあったりする。


今作はフランスの片田舎で起こる奇妙な事件をジャン・レノ演じる刑事が解決するという、シリーズの2作目である。前作と同じようにこの作品もミステリーっぽい見せ方をしているけれど、主人公のニーマンス警視はほとんど迷うことなく解決への道を一直線につき進んでいく。途中で明らかに黒幕をバラす演出がされていることから、今回は作る側も開き直っているらしい。


90分強の長さでミステリーを作るのは難しいということなのか、またはフランスの映画ファンはストーリーが錯綜している作品は嫌いなのかもしれない。人間関係のドロドロは好きなくせに、かたよった人たちだと思う反面、そういった細かいこだわりがないとあそこまでオシャレに徹することはできなんだろうと、少し感心した。



タイトル: クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち デラックス版