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英雄~HERO~

英雄を辞書で引くと、「才能、武勇のとくに優れている大人物」と書いてあった。この作品でその大人物とは誰にあたるのだろう。主役である無名か、秦王の命を狙う最強の刺客たちか、秦王か。全員が英雄といっていい力を持っているだろうが後生歴史に名を残すのは秦王だけに違いない。


そんな歴史的に見ると一般人と変わらない無名や刺客たちがラストで決断したことが最終的に民衆のためになったというのは、「プロジェクトX」に通じるテーマだったのではないだろうか。歴史は言うまでもなく、大きなことが成し遂げられたとき、その主役は派手な活躍をしたリーダーだけではなく、末端で四苦八苦しながら頑張った名もない人たちもそうなのだ。


この世に生きる1人1人がヒーローだということをこの作品は教えてくれるが、その気分に酔って過度に滅私奉公をするのは危険である。現代社会でそれをやったら、都合のいいヤツとしてたいした見返りもないままにこき使われてしまうだろうから。それと同じ理由で「プロジェクトX」も実はこわい番組なんじゃないかと、最近感じるようになった。


ただ、そんなことを考えつつも、見ているときは感動して涙を流していたりするあたり自分は調子がいいヤツだと思う。



タイトル: 英雄 ~HERO~ スペシャルエディション