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スパイダーマン2

シリーズものの2作目というのは、大体暗~い雰囲気になってしまうことが多い。「スターウォーズ」や「マトリックス」などが有名だが、それは主人公の苦悩に主題が置かれていたり、1作目の世界観をさらに深く描写しなければならなかったりするためだ。商業的な面から見ると、前作との違いを出すためと言えるだろうが、この点において、今作は見事に成功している。

 

スパイダーマンとなったトビーが、ヒーローとなったがゆえに発生する苦悩に思い悩むシーンがあるのは、予想の範囲内だ。正体を明かせないために日常生活に支障をきたしたり、ヒーローとしての力を失ったりなどは、ラストに向けてのお約束のタメのシーンとも言える。今までの「2作目」だと、このあたりがダルくてたまらないのだが、今作は微妙に笑える部分が入っていたので比較的スムーズに見られた。

 

そして、これまたお約束のヒーロー復活シーンだが、ここで監督のサム・ライミはヒーローものとして革新的な場面を見せる。一般の人や身近な親友に、あっけなく正体がバレてしまうのだ。スパイダーマンスーツのマスクがはがれたまま敵と戦ったり、身動きできなくされてあっけなくマスクをはがされたり……。ウルトラマン仮面ライダーを見てきた自分には、あまりに自由すぎる展開である。

 

お約束あり、見る側の想像を超える部分ありと、エンターテイメントとして一級品の仕上がりになっている今作。ラスト、2作目にありがちな不幸な結末ではなくハッピーエンドとなったのも見ていて気持ちいい。3作目への伏線もきっちりはっているし。ただ、「良かったねー」と胸が温かくなりつつも、最後のMJの心配そうな顔には、何か不吉な予感を感じてしまった。

 

タイトル: スパイダーマン 2 デラックス・コレクターズ・エディション