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天空の城ラピュタ

宮崎駿版「ボーイミーツガール」映画。ある日空から降ってきた少女を介抱したことから大冒険にまきこまれる少年の姿を追っていくという、宮崎作品には珍しい少年の成長物語である。パズーの成長からビンビン伝わってくるのが「守るものができたとき、男は強くなる」と言う普遍的メッセージだ。

パズーにとって、守るべきものであるシータは、上品だけど芯が強くて行動力があるという、クラリスナウシカから続く典型的宮崎ヒロインである。男が作り上げた幻想の女といってしまえばそれまでだが、実はシータも含む宮崎ヒロインには男にモテる要素がぎっしりつまっているのである。

第一に、本質的に男性はお姫様が好きだ。これは女性が王子様を好きになるのと同じ理屈である。つまり品があることが大事だ。下品なヤツはモテないのである。

2番目に、男性は自分についてきてくれる女性が好きだ。もともと男とは弱い生き物だから、逆らわれるとショックを受けてしまうのである。何か言われるとすぐしょげてしまうのはその典型だし、攻撃的になるのも傷つきやすい心の裏返しなのだ。だから、男性が提案することに怖がらずついてきてくれる女性は現実社会では好感度抜群である。少なくとも自分の周囲では。

3番目は上にあげた要素とダブるところがあるが、男性は積極的な女性を好むものである。何もできない女性もそれはそれで守ってあげたくなるだろうが、正直ウザイと思う男は多い。自分のことは自分でやれて、なおかつ未体験のことに飛び込める前向きさを持った女性を、男性は魅力的だと思うはずだ。

実際、この3つを兼ね備えている女性にはあったことがないが、それはこの要素が、いわゆる古風な女性像だからだろう。女が強くなった21世紀では、ほぼ絶滅寸前に違いない。正直、本当にいるとも思ってないし、シータのような女性が目の前に現れたら、アイドルがテレビから出てきたみたいで気持ち悪いと思ってしまうかもしれない。





タイトル: 天空の城ラピュタ DVDコレクターズ・エディション